チェルシー奮闘記

チェルシーフラワーショーは、140年の歴史を持つ英国最大のフラワーショー。国民が園芸を愛するイギリスで毎年5月に開かれる、伝統あるイベントです。まだ日本ではあまり知られていませんが、毎年各国から素晴らしい作品が出展されています。

ティーズガーデンスクエア代表の戸高はイギリスへ渡りました。約1ヶ月にわたるチェルシー奮闘記をご覧ください。

２０１５年　自身のデザインで参加しました。　Home ~ Personal Universe~　こちらからご覧ください

飛行機に乗り、電車に乗り、地下鉄に乗り……やっとの思いでウィンブルドン近郊のマイロンドンハウスに到着。ここではショーのスタッフがお世話になっています。師匠である石原和幸氏との再会、そして1年ぶりのスタッフとの再会を喜び、今年の作品テーマについて語り合いながら1日を終えました。

たくさんの植物たちを育てて、組み立てていきます。5m×5m×2.5mの空間を作り上げ、入念にチェック。屋根に通した小川のテストも抜群の仕上がり。自然と笑顔になります。師匠である石原さんもかなり気分が高まっている様子。

みんなで芝生の上でランチ。イギリスの現地スタッフであるアンドリューは、太陽が出ていると裸になって全身に日の光を浴びています。イギリスは太陽が出ている時間が少ないので、日光浴をとても大切にしているのです。

話はそれますが、石原さんがよくいう言葉。
「チェルシーは世界中のガーデナーが命がけで庭を作ってるんだよね。今の世の中、そんな真剣に庭を作ること、なかと？」

会場ではパネルの組み立てが進みます。ですが会場に入れるビルドスタッフの人数はかぎられているので、他のスタッフは植物の管理をします。植物たちの最高に美しい姿をジャッジのその日にお披露目するため、毎日のコンディション管理が重要です

夕方からビルドスタッフと植栽スタッフが入れ替わり、植物を植え込んでいきます。石原さんは「植栽はスポーツじゃけんね」とのこと。確かに。バランスやリズムをつかんでスピーディーに植えていかないと、植物の表情は明るくなりません。

夜遅くに帰って、みんなで楽しい食事の時間。マネージャーがおいしい日本食を作って待っていてくれました。マネージャーは人の入れ替わり・食事・材料調達・スタッフのモチベーション管理（グチを聞いたり）など、大変な仕事をがんばってくれています。

なんと……

 
あのイギリス女王エリザベス女王にゴールドメダルをいただきましたっ！！

本場のガーデンは、素晴らしいものでした。ショー会場は世界のガーデナーが心で植物を植えていて、街中や個人邸の庭でも植物が本当に生き生きしていて、文化の違いを改めて肌で感じてきました。

そして、結果、プライドの高いイギリスという国が私たちを認めてくれたのです。
私たちの心が世界に通じました。
日本人にもできるのです。
心と植物で接することが……。

石原さんが打ち上げのときに「日本にも植物を大切にして街並みを綺麗にする文化を取り入れてもらいたい。日本中を花でいっぱいにして、心が豊かな国にしたい」とおっしゃっていましたが、私もそう思います。

日本も1輪も多く花や木を植えれば、CO2削減になります。私たちは緑豊かな風景を増やし、地球を守ることができる地球のお医者さんになりたいと思っています。家を、庭を綺麗に見せる文化が日本人の心に深く浸透すれば……。